仕合わせ暮らし@タイランド

~タイの生活、日々の想いを綴ろう!~

新型コロナの影響で気がかりな人

今、私がとても気がかりな人の話。

 

それは、家の近くのとうもろこし売りのおじちゃん

おじちゃんは、毎日、ほぼ決まった時間に決まったルートを通って、リアカーでとうもろこしを売っていた。

正確に言うと、売っていたのはとうもろこしだけではなく、落花生、サツマイモ、カボチャなど。リアカーに大きい蒸し器(釜)を乗っけていて、食材を蒸しながら売り歩いていた。

大のとうもろこし好きの私は、蒸したて熱々のとうもろこしが、近所でこんなにも手軽に手に入ることに大喜びした。衛生面を考えて、購入を躊躇してしまう人もいるかと思うが、私は、それよりもとうもろこしを食べたい欲が勝ってしまったのだった。

こうしてタイに住み始めて早々、このとうもろこし売りのおじちゃんから、たびたびとうもろこしを買うようになった。

 

このおじちゃん、年齢は50代ぐらいだろうか。日焼けして、歯もほとんどなければ、服装もお世辞にも綺麗とは言えない。

いわゆる労働者といったタイプのおじちゃんだが、なんと日本語が話せるのだ!私が日本人と分かると、「トウモロコシ、15バーツ」と日本語で話し始めたではないか!

 

まさか、とうもろこし売りのおじちゃんの口から日本語が飛び出すとは夢にも思わなかったわけで、耳にしたときは相当驚いた。と同時に、「なぜ?」という疑問と、わざわざ日本語で話しかけてくれたことに嬉しくなった。(観光地で「お兄さん、安いヨー」などと言って話しかけてくる売り子とは全然違う、嫌みのないかんじだったから。)

 

よくよく聞いてみると、おじちゃんが話せるのは、自分が売っているものの名前と、100までの数字だということが分かった。つまりは、「とうもろこし」「豆」「芋」「かぼちゃ」と数字。自分で調べて学んだらしい。

昔、日本人が多く住む地域で売り子をしていたのかなとも思ったが、数字までしっかりと覚えているところがすごいな~と感心させられた。

 

それからは、おじちゃんとの距離が縮まった気がして、週に2~3回会えば挨拶をし、月に2~3回はとうもころしや落花生などを買うようになった。

もともと、とても優しい笑顔を見せるおじちゃんで、会えばいつも丁寧に挨拶をしてくれるところが好きだった。私が外国人だからと言って、ぼったくることもせず、時には落花生を多めにサービスしてくれることもあった。

 

そんなおじちゃんが、3月の非常事態宣言後から、姿を見せなくなった。

4月中は、近所の他の屋台売りの人たちも完全自粛状態だったが、5月になるとぽつぽつと再開する屋台が出だし、6月になると、以前近所にあった屋台のほぼ全部が、また姿を見せるようになった。

とうもろこし売りのおじちゃんを除いて。。。

昨日15日からは、さらに制限が緩和されたので、近々姿を見せてくれるだろうかと期待してはいるのだが。田舎に帰ってしまったのかなとも思ったり。

 

新型コロナで、世界経済は大打撃を受けているが、もちろん、とうもろこし売りのおじちゃんもその打撃を受けた一人なわけで。もし新型コロナが流行していなければ、おじちゃんは今日も変わらずリアカーを引いて、私の家の前を通っていたのだろう。そして私は、おじちゃんからいつものようにとうもろこしを買っていたのだろう。

 

そんな日常が、もしかしたらもう来ないかもしれないと考えると、とても淋しくなる。おじちゃんが戻ってくることが一番だが、そうでなくても、どこかで元気にやってくれていることを願わずにはいられない。

 

当分は、「おじちゃんいるかな?」と、おじちゃんがリアカーとともにいつも座っていた、家の近所の角を覗きこむ日々が続きそうだ。

もしおじちゃんと再会できたなら、いつもどおりとうもろこしを買って、写真を撮っておきたいな、と思っている。。。

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ バンコク情報へ
にほんブログ村

 

アパートのスタッフと接して考えること

ここ最近、スーパーのことだけを書いていたけれど、今、書いておきたいことがあったので、それを記しておこうと思う。

 

我が家はサービスアパートメントとしても機能しており、アパート全体の掃除をするお掃除スタッフが2~3名常駐している。

週に2回、部屋の掃除をお願いしているのだが、タイに来た当初は、部屋に他人を招き入れることに慣れておらず、盗難等も警戒して、掃除の際には毎回自分が在宅するようにしていた。しかし、スタッフの働きを見るうちに信用できるなと思い、現在は、敢えてその時間には部屋を空けるようになっている。

 

入居してから2年半強、アパートのお掃除スタッフは4~5人変わっただろうか。

入居したての頃に働いていたお掃除のおばちゃんは、とても会話好きの人で、彼女が知っている限りの英語とタイ語を混ぜて、私にいろいろと話しかけてくれた。

私が植物好きと知ると、自分の家で育てている植物を私に分けてくれたりもした。しかも、植えるための鉢まで持ってきてくれていた。タイ人の親切さを身をもって感じた出来事で、いまも鮮明にその時のことを覚えている。

 

おばちゃんと話すことが楽しみだったころ、彼女は突然仕事を辞めた。

ソンクラン明けだっただろうか。まあ、私にとっては突然だったが、スタッフには前々から辞める旨を言っていたのかもしれないが。。。彼女が仕事を辞めたのかを他のスタッフに確認すると、家が遠いとのことで、もっと通いやすいところに仕事を見つけたとのことだった。

 

掃除のおばちゃんと同じタイミングで、アパートのシャトルカーのドライバーさんも辞めた。

彼は、おばちゃんと正反対で、普段はほとんど会話をせず、寡黙なドライバーさんだったが、ソンクラン前に、「故郷に帰省するんだ」ととても嬉しそうに話していたのがとても印象的だった。そしてソンクラン後に彼も姿が見えなくなり、辞めたということを他のスタッフから聞かされた。

 

辞めたおばちゃんの後釜として入ってきたのは、おしゃれ好きなおばちゃんだった。いつもへアバンドをして、鼻歌を歌いながら掃除をする人だった。

ある日、昼時に用があってスタッフルームに行ったところ、昼食の準備中で、その昼食を分けてもらったことがあった。その日の昼食はタイの南部地方のカレー。

おしゃれ好きのおばちゃんが南部地方の出身らしく、彼女は嬉しそうに料理の説明をしてくれた。南部の料理はとりわけ辛いこと、そうめん(米麺)と一緒にカレーを食べることなどだ。

 

おしゃれ好きのおばちゃんや寡黙なドライバーさん然り、みんな故郷の話をするときはとれも嬉しそうだった。故郷を想う気持ちは、人間みんな一緒なんだなぁと。。。そしてここバンコクで働く多くの人が、仕事のために故郷を離れてきているんだということを身をもって知った。みんな故郷のことを想いながらも毎日頑張っているんだなと。

 

そんな南部出身のおばちゃんも、2カ月ほどまえに姿が見えなくなった。他のスタッフに聞いてはいないが、きっと辞めたのだろう。

私は彼らの友達でもなければ同僚でもない。どちらかと言えばただの客だ。辞める際に、ただの客である私に報告する義務もなければ道理もない。それは理解できるのだが、なんか一言あってもいいじゃん!と淋しく思ってしまうのも正直なところだった。

 

コロコロ変わるスタッフの中で、私が入居してからずっとお掃除スタッフとして働いているお姉さんがいる。彼女は、口数は少ないが、仕事はとても一生懸命且つ丁寧で、とても礼儀正しい人だった。彼女には安心してお掃除を任せられた。

 

先週、外出先から戻ってくると、部屋はまだ掃除中。

びっくりしたのが、見たことのない掃除スタッフが部屋を掃除していたこと。いつもの礼儀正しい彼女の姿は見当たらない。と思っていたら、彼女はベランダを掃除中だった。しかし、彼女はいつもなら着ているはずのスタッフポロシャツを着ておらず、私服である。なんで私服なんだろうとは思ったが、あまり気にもとめていなかった。

 

そして掃除が終わった際に、彼女は私に言った。

先週でここでの仕事を辞めたこと。今日は手伝いできていること。今後は子供のシッターとして別の場所で働くこと。

頼りになり、古株である彼女が辞めるのはとても残念だった。それを伝えると彼女は言った。

何か困ったことがあったら、マネージャーさんに言ったらすぐに対応するから遠慮なく言ってね。そしてお世話になりましたと。

 

最後まで本当に礼儀正しい人だった。辞めることを私にも伝えてくれたことに嬉しくなった。彼女がいなくなるのはとても惜しいけれど、彼女の今後の仕事がうまくいくことを願っている。

 

一期一会。

私のタイ生活は、やっぱりたくさんの人に支えられて成り立っている。

アパートのスタッフもその中の一人。

慣れ親しんだスタッフがいなくなり、新しいスタッフで少々不安はあるけれど、それもまた一期一会。。。

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ バンコク情報へ
にほんブログ村