仕合わせ暮らし@タイランド

~タイの生活、日々の想いを綴ろう!~

「マスクありません」"ไม่มีหน้ากากอนามัย"の貼り紙から気づくこと

タイのマスク事情を以前の記事で書いた。

日本のニュースを見ていて、マスクに関してほかにも気付いたことがあったので、自分自身が忘れないためにも書いておこうと思う。

amo-tomate.hatenablog.com

使い捨てのマスクの入手が難しいのは、タイも日本も同じ。

日本のドラッグストアのニュース映像を見てふと気づいたこと。

その店では店頭に張り紙をしており、「マスクありません」の貼り紙。

また別の店では「マスク完売しました」の貼り紙。あるいは「マスク入荷しました」という貼り紙。

 

ごく当たり前の貼り紙である。自分が外国に住んでいなかったら、おそらくなんとも思わないお知らせの貼り紙だという認識だっただろう。

 

しかし、外国人としてタイに住んでいる今、ニュースに映るこれら貼り紙を見て気付かされたことが。

外国語話者にとって日本語だけの貼り紙から「マスクが売られていない」という情報を得ることができるのは至難の業である。例えば、街中のドラッグストアにある貼り紙に"ไม่มีหน้ากากอนามัย""หน้ากากอนามัยหมด"と書かれていたらどうだろうか。

タイ語が読めて、「マスク」という意味のタイ語"หน้ากากอนามัย"がわかる外国語話者は問題ないだろう。しかし、タイ語が読めないかもしくは読めても"หน้ากากอนามัย"の意味がわからない外国語話者はどうだろうか。そのような人にとってこのお知らせの貼り紙は、文字が羅列されているただの紙切れでしかない。

 

私がバンコクの街で見かけた貼り紙はちょうどこういんかんじだった。

 

タイ語+英語でも書いてあるこの貼り紙。"NO MASK"というたった6文字が書いてあるだけで、タイに住む何万人という外国人にとって、ただの紙切れだったこのお知らせが価値のある情報ソースとなりうるわけである。(もちろん英語が読めない人には理解できないという問題があるのですべて解決とはいかないが。)

バンコクでは、外国人がたくさん訪れたり住んでいたりする地域は、タイ語と英語を併記しているお店をみかけたりする機会も多い気がする。

 

マスク入手関連だけに関して言えば、布マスクを自作できなくもないので、情報を読み取れなくても非常に困るということはないだろう。しかし、例えばその貼り紙が、「マスクをしていない人は入店拒否」という情報だったらどうだろうか。タイ語を読めない人は、きっとマスクの有無に関わらず入店してしまい、店員に止められるということも起こってしまうかもしれない。

 

日本では、今回のCOVID-19対策で国民に10万円が給付されることが決定したらしい。それは、在留カードを持って日本に住んでいる外国人も対象とのこと。日本語が理解できる外国語話者なら、私たち日本語母語話者と同じタイミングでニュースなりから情報を得られたはず。

しかし、日本語が読めない人は、この給付のニュースを日本語以外の言語を介した媒体(人)が必要であったわけで、きっと情報を入手するタイミングは日本語が理解できる人より遅かったに違いない。

 

それはタイに住んでいてタイ語情報のキャッチができない私にも言えることなわけで。

だからこそ、以前の記事に掲載したような、なるべく早く情報を日本語で伝えてくれるサイトの存在をありがたく思う。

amo-tomate.hatenablog.com

 

話がとっ散らかって何が言いたいのか分からなくなってきたけど(笑)、要は、「日本語もしくはタイ語=その国の言語」が読めない(理解できない)人の立場に立って情報発信をすることも重要なのではないかと。 

100人いる中で、80人だけに情報が伝わればいい。そう考える人もいるかもしれない。しかしその情報が有用であればあるほど、残りの20人に伝える重要性は増してくる。残りの20人が情報をキャッチできたことで、彼らの生活や人生の選択肢が拡がっていくにちがいない。それは廻り廻って社会がスムーズに動いていくことに繋がるのではないかと私は考える。

 

外国人だけではない。盲ろう者にとっての点字や手話もそう。

自分が当たり前だと捉えていることが、すべての人にとっての当たり前ではないということを私たちは常に考えて行動していくべきではないかと。

特に、生活していくうえで必要となってくることに関しては、なるべく多くの人(理想を言えばすべての人)が共有できることが望ましいのではないだろうか。

 

と大きなことを言っているけど、まずは小さなことの積み重ねなんだろうな。

街で見かけた薬局がタイ語と英語で貼り紙をしたように、私も自分でできることから始めてみよう。誰かの立場に立って。。。

 

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