アパートのスタッフと接して考えること
ここ最近、スーパーのことだけを書いていたけれど、今、書いておきたいことがあったので、それを記しておこうと思う。
我が家はサービスアパートメントとしても機能しており、アパート全体の掃除をするお掃除スタッフが2~3名常駐している。
週に2回、部屋の掃除をお願いしているのだが、タイに来た当初は、部屋に他人を招き入れることに慣れておらず、盗難等も警戒して、掃除の際には毎回自分が在宅するようにしていた。しかし、スタッフの働きを見るうちに信用できるなと思い、現在は、敢えてその時間には部屋を空けるようになっている。
入居してから2年半強、アパートのお掃除スタッフは4~5人変わっただろうか。
入居したての頃に働いていたお掃除のおばちゃんは、とても会話好きの人で、彼女が知っている限りの英語とタイ語を混ぜて、私にいろいろと話しかけてくれた。
私が植物好きと知ると、自分の家で育てている植物を私に分けてくれたりもした。しかも、植えるための鉢まで持ってきてくれていた。タイ人の親切さを身をもって感じた出来事で、いまも鮮明にその時のことを覚えている。
おばちゃんと話すことが楽しみだったころ、彼女は突然仕事を辞めた。
ソンクラン明けだっただろうか。まあ、私にとっては突然だったが、スタッフには前々から辞める旨を言っていたのかもしれないが。。。彼女が仕事を辞めたのかを他のスタッフに確認すると、家が遠いとのことで、もっと通いやすいところに仕事を見つけたとのことだった。
掃除のおばちゃんと同じタイミングで、アパートのシャトルカーのドライバーさんも辞めた。
彼は、おばちゃんと正反対で、普段はほとんど会話をせず、寡黙なドライバーさんだったが、ソンクラン前に、「故郷に帰省するんだ」ととても嬉しそうに話していたのがとても印象的だった。そしてソンクラン後に彼も姿が見えなくなり、辞めたということを他のスタッフから聞かされた。
辞めたおばちゃんの後釜として入ってきたのは、おしゃれ好きなおばちゃんだった。いつもへアバンドをして、鼻歌を歌いながら掃除をする人だった。
ある日、昼時に用があってスタッフルームに行ったところ、昼食の準備中で、その昼食を分けてもらったことがあった。その日の昼食はタイの南部地方のカレー。
おしゃれ好きのおばちゃんが南部地方の出身らしく、彼女は嬉しそうに料理の説明をしてくれた。南部の料理はとりわけ辛いこと、そうめん(米麺)と一緒にカレーを食べることなどだ。
おしゃれ好きのおばちゃんや寡黙なドライバーさん然り、みんな故郷の話をするときはとれも嬉しそうだった。故郷を想う気持ちは、人間みんな一緒なんだなぁと。。。そしてここバンコクで働く多くの人が、仕事のために故郷を離れてきているんだということを身をもって知った。みんな故郷のことを想いながらも毎日頑張っているんだなと。
そんな南部出身のおばちゃんも、2カ月ほどまえに姿が見えなくなった。他のスタッフに聞いてはいないが、きっと辞めたのだろう。
私は彼らの友達でもなければ同僚でもない。どちらかと言えばただの客だ。辞める際に、ただの客である私に報告する義務もなければ道理もない。それは理解できるのだが、なんか一言あってもいいじゃん!と淋しく思ってしまうのも正直なところだった。
コロコロ変わるスタッフの中で、私が入居してからずっとお掃除スタッフとして働いているお姉さんがいる。彼女は、口数は少ないが、仕事はとても一生懸命且つ丁寧で、とても礼儀正しい人だった。彼女には安心してお掃除を任せられた。
先週、外出先から戻ってくると、部屋はまだ掃除中。
びっくりしたのが、見たことのない掃除スタッフが部屋を掃除していたこと。いつもの礼儀正しい彼女の姿は見当たらない。と思っていたら、彼女はベランダを掃除中だった。しかし、彼女はいつもなら着ているはずのスタッフポロシャツを着ておらず、私服である。なんで私服なんだろうとは思ったが、あまり気にもとめていなかった。
そして掃除が終わった際に、彼女は私に言った。
先週でここでの仕事を辞めたこと。今日は手伝いできていること。今後は子供のシッターとして別の場所で働くこと。
頼りになり、古株である彼女が辞めるのはとても残念だった。それを伝えると彼女は言った。
何か困ったことがあったら、マネージャーさんに言ったらすぐに対応するから遠慮なく言ってね。そしてお世話になりましたと。
最後まで本当に礼儀正しい人だった。辞めることを私にも伝えてくれたことに嬉しくなった。彼女がいなくなるのはとても惜しいけれど、彼女の今後の仕事がうまくいくことを願っている。
一期一会。
私のタイ生活は、やっぱりたくさんの人に支えられて成り立っている。
アパートのスタッフもその中の一人。
慣れ親しんだスタッフがいなくなり、新しいスタッフで少々不安はあるけれど、それもまた一期一会。。。